新入生健診における高LDL-C血症 ~FH診断基準値の妥当性に関する調査~

新入生健診における高LDL-C血症

~FH診断基準値の妥当性に関する調査~

 

・家族性高コレステロール血症(FH)ホモ接合体は、100万人に1人の割合でいると推定され、わが国では約120人程度と考えられます。また、FHヘテロ接合体は、500人に1人と比較的頻度が高い疾患です。新入生約3100人のうち、FHヘテロは約6人が推定され、その適切な診断は、将来の動脈硬化の発症予防のために、重要と考えられます。

 

・FH(ヘテロ)の診断のための基準値は、15歳以上ではLDL-C180mg/dl以上ですが、小児ではLDL-C140mg/dl以上となっています。他にアキレス腱肥厚も診断の手がかりとなります。

 

・多くの学生の新入生健診時の年齢の18歳頃における高LDL-C血症の診断基準については、一般的には15歳以上の診断基準が適用されますが、その年齢層における診断基準値の妥当性について検討した報告はこれまでありません。またアキレス腱肥厚は、若年者では認めないことがしばしばあり、適切な診断基準値によるスクリーニングは、若年者ではより重要であると考えられます。

 

・東京大学の新入生健診の受診者約3100人の母集団から,以下の手続で抽出され,東大病院での臨床研究に参加することとなった高LDLコレステロール血症の学生について、従来の基準値適応の妥当性について医学部附属病院で行われる臨床研究として検討していきたいと考えております。

 

方法

・新入生健診で、高LDL-C血症にて呼び出しのあった学生のうち、LDL-C160mg/dl以上の学生に対し、パンフレット等を用いて東大病院 糖尿病・代謝内科 脂質グループの医師の外来を受診してもらうように案内することを考えています。

 

・研究のために新たに呼び出しをかけることは想定していません.健康管理室が事後措置のために呼び出した学生をリクルートしたいと考えています.具体的なリクルートの手順については呼び出しなど業務の実情に合わせてこちらでも検討します.ご指導ください.

 

・リクルートの段階では呼び出し対象者を差別しません(よりFHらしい学生が優遇されることはありません.東大病院受診後も適切な医療を全ての受診者に行います.研究の対象者になるかどうかは受診後に判断されます.)

 

・健康管理室で健康カードを閲覧いたしますが、そのデータは、preliminaryな観察の材料として使用する予定です。

 

・その後は、家族歴の調査、診断のためのアキレス腱の撮影や他の脂質関連の採血の追加、また必要に応じて遺伝子検査を行い、FHの診断をし、加療を進めていきます。

 

 東京大学 保健・健康推進本部

               東京大学医学部附属病院 糖尿病・代謝内科

                     久保田 みどり

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