健診受診症例における、「やせ」とその危険因子についての解析

近年、わが国では、メタボリックシンドロームに代表されるような肥満による健康問題が注目される一方で、偏ったボディイメージによる過度のダイエットなどに伴う「やせ」志向が、特に若い女性を中心に顕著になってきている傾向があります。「やせ」は、月経不順や骨粗しょう症をはじめとした様々な病気とも関わっていますが、その原因や将来への影響については依然として解明されていない点も多く、「やせ」の人に見られる食事や運動などの生活習慣の特徴や各種検査結果との関連などを明らかにすることは、より健康的な毎日を過ごしていくために役立つものと考えます。

この研究では、保健センターで実施された健康診断結果や、健康診断受診時の問診結果を集計し、「やせ」傾向を認める受診者には、どのような食事・運動などの生活習慣の傾向や、理学所見、血液・尿検査結果、心電図、胸部レントゲン所見などの各種健康診断結果の特徴が見られるか、解析や検討を行います。健康診断結果から得られたデータを集計して行う研究ですので、本研究の実施に伴い、皆様に新たにご負担いただく検査などはありません。

研究にあたりましては、健康診断で得られたデータを匿名化し、個人が特定できない形で集計や解析を行います。個人情報保護には十分に配慮させていただいておりますので、データの解析結果から個人を特定することはできず、プライバシーは完全に保護されます。また、研究結果は、個人が特定できない形式で、学会や論文誌等で発表させていただく予定です。

本研究は、東京大学倫理委員会の承認を得て実施されます。本研究に関して、開示すべき利益相反関係はありません。この研究に関し、ご質問やご不明な点がある場合、同意しがたい事項がある場合などは、その旨を保健・健康推進本部内科までお申し出ください。お申し出のない場合は、同意していただいたものとして取り扱わせていただきます。

以上、皆様のご理解とご協力をいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

保健・健康推進本部内科 助教 坂本愛子