「大学生における肥満・糖尿病・メタボリックシンドロームのリスク因子解明と予防法の探索」研究への協力のお願い

学生の皆様へ

「大学生における肥満・糖尿病・メタボリックシンドロームのリスク因子解明と予防法の探索」研究への協力のお願い

わが国で死因の上位を占める心血管疾患の主要な原因の1つは糖尿病であります。糖尿病は、インスリン作用の不足による慢性高血糖を特徴とした、種々の特徴的な代謝異常を伴う疾患群です。わが国では、高脂肪食・運動不足・高齢化を背景に、糖尿病が強く疑われる人や可能性を否定できない人が合わせて2,210万人と推定されており(2007年国民健康・栄養調査)、患者数・医療費ともに激増しています。また、世界でも糖尿病患者数は急激に増加し、現在3億7000万人以上が罹患しております。したがって、糖尿病治療は日本のみならず人類全体に関わる重大な問題です。

過去の疫学研究では、若年時の肥満が将来的な糖尿病発症リスク増加に関連することが報告されていますが、わが国、かつ大学生を対象とした報告は乏しいのが現状です。本研究では、東京大学の学生における肥満・糖尿病・メタボリックシンドロームの疫学調査を行い、発症に関与するリスク因子を明らかにすることで将来的な予防・診断・治療に役立てることを目的とします。生活習慣病発症リスクの正確な予測法を確立することで、科学的な側面からも、社会的な側面からも大いなる効果が期待できると考えられます。

この問題を解決するには、前向き研究(研究目的を決定した後、患者さんをいくつかの群に振り分けさせていただき、その経過を追わせていただく研究)が重要ですが、その基盤として後ろ向き研究(今までの臨床データを解析して、治療成績や患者さんの自然経過を見させていただく研究)が非常に重要です。

そのため、この研究では、東京大学保健センターで新入生健康診断を受診された学生の皆様の過去データを解析いたします。対象となるデータは、診療録(問診や診察所見など)、投薬内容、疾患名、検査結果(血液検査、尿検査、便検査など)、生理検査(心電図など)、放射線検査(一般 X 線検査など)など、日常の保健センターの業務内において得られるデータです。

この研究は過去の診療記録を用いて行われますので、該当する方の現在・未来の診療内容には全く影響を与えませんし、不利益を受けることもありません。解析にあたっては、個人情報は匿名化させていただき、その保護には十分配慮いたします。

当然ながら、学会や論文などによる結果発表に際しては、個人の特定が可能な情報はすべて削減されます。

この研究に関して不明な点がある場合、あるいはデータの使用に同意されない場合には、以下にご連絡頂きたいと思います。なお、本研究は、大学の倫理委員会の承認を得ております。また、この研究への参加をお断りになった場合にも、将来的に保健センター、大学病院おける診療・治療の面で不利益をこうむることはありませんので、ご安心ください。

皆様のご理解とご協力をいただけますよう、お願い申し上げます

 

2016 年 9 月20 日

保健・健康推進本部 本件担当者:保健・健康推進本部 山田朋英 電話:03-5841-2575