慢性腎臓病対策を取り入れた健康診断―蛋白尿と生活習慣との関連の検討

課題研究 「慢性腎臓病対策を取り入れた健康診断―蛋白尿と生活習慣との関連の検討」

平成29年5月1日

 わが国の高齢者人口の増大とともに慢性腎臓病患者数が増大し、透析治療が必要となる患者数は増加の一途をたどり、2014年末(平成26年)末には32万人を超えました。これは国の医療費増大の大きな要因であり有効性のある対策が求められています。慢性腎臓病は血液検査と尿検査で診断されます。健康診断では通常尿検査は試験紙法を用いて蛋白尿を測定しています。しかし試験紙法は必ずしも正確な蛋白尿量を反映するとは限らないことが分かっています。保健センターでは健康診断の運用や検査項目を検討するために、2016年(平成28年)に行われた東京大学の教職員の一部を対象に通常の試験紙法による蛋白尿検査に加えて、定量検査を実施しました。この結果を用いて試験紙法と定量検査を比較・検討を行います。また同時に合併症や他の検査所見、生活習慣との関連を調べてどうしたら慢性腎臓病の発症予防・早期発見・あるいは重症化を予防することができるのかを検討する予定です。

 本研究の成果として慢性腎臓病の予防・治療に役立つ貴重な知見が得られる可能性があり、本学の教職員の健康に資することのみならず、広く国民の健康増進に貢献できることを目指しております。教職員の皆様のご理解とご協力をいただけますようお願い申し上げます。 研究には健康診断で得られたデータを、匿名化と集計により個人が特定されない形で利用します。本研究で得られた結果は、学会や論文誌等で発表する予定です。匿名化されたデータを解析した結果を公表するので、結果から個人を特定することはできません。プライバシーは完全に保護されます。

この研究に関しまして、質問がある場合、同意しがたい事項がある場合などは、その旨を保健・健康推進本部内科までお申し出ください。お申し出のない場合は、同意していただいたものとして取り扱わせていただきます。 以上、ご理解・ご協力いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

問合せ等連絡先:東京大学保健・健康推進本部(電話 03-5841-2583) 一般診療室 碓井 知子、柳元 伸太郎