脂肪肝に関する調査「大学生を対象とした非アルコール性脂肪性肝疾患の疫学調査及び発症因子の前向き研究」

 近年我が国では,飲酒歴がないにも関わらず肝臓に脂肪が溜まる非アルコール性脂肪肝が著しく増加しています.従来,非アルコール性脂肪肝は進行しない良性の病気と考えられていましたが,最終的には肝硬変や肝癌となり命を落とす危険すらある病気である,ということがわかってきました.非アルコール性脂肪肝はまた,国民病の一つであるメタボリック症候群の肝臓における表現形とも言われています.メタボリック症候群とは,肥満・糖尿病・高脂血症・高血圧など生活習慣病の総称ですが,脂肪肝はメタボリック症候群の発症や進行を規定する可能性もあります. 非アルコール性脂肪肝は早期に発見し早期に生活習慣の改善または治療が大切であるにも関わらず我が国の青年期の脂肪肝の実態や進行の仕方についてほとんどわかっていません.本研究の成果として重大な疾患である脂肪肝の予防・治療に役立つ貴重な知見が得られる可能性があり,本学の学生の健康に資することのみならず,我々は広く国民の健康増進に貢献できることを目指しております.学生および教職員の皆様のご理解とご協力をいただけますよう,お願い申し上げます. 研究には健康診断で得られたデータを,匿名化と集計により個人が特定されない形で利用します.また,事前に作成した研究計画に基づいて選んだ対象者の皆様には個別に,協力のお願いをさせていただくことがありますのでご了承ください.健康診断項目以外の追加検査のご協力のお願いをさせていただきます. 本研究で得られた結果は,学会や論文誌等で発表する予定です.匿名化されたデータを解析した結果を公表するので,結果から個人を特定することはできません.プライバシーは完全に保護されます. 以上,ご理解とご協力をいただけますよう,重ねてお願い申し上げます.

 特に指定がない限り検査等は駒場保健センターで行います.

問合せ等連絡先:東京大学保健・健康推進本部(電話 03-5841-2583) 一般診療室 井上 有希子

※通常の健康診断項目以外の検査(腹部超音波検査)を研究のために受けて頂く方には実施前にそのことについて説明させて頂いています。 ※健康診断で血液検査がある場合には通常の健康診断項目としてLDLコレステロール値を測定します。これに加えて研究のために残った血液で血糖値を測定することがあります。いずれの場合も空腹(午前中の健診では起床後何も摂らないで、午後の健診では早めの朝食のみでその後何も摂らないまま)の状態での検査が望ましいものです。健康診断を受診する際にはご留意下さい。