健康診断の胸部X線検査における胸膜肥厚所見に関する検討

健康診断における胸部X線検査では、「胸膜肥厚」という所見がみられることが珍しくありません。胸膜とは肺を覆っている膜のことを指しますが、胸膜が厚くなる変化のことを胸膜肥厚と呼びます。古い炎症の傷跡であることが多く、殆どの場合は病気として捉える必要はないとされています。しかし胸膜肥厚は、結核などの感染症や悪性胸膜中皮腫などでも認められる変化です。したがって胸部X線検査で胸膜肥厚がみられた場合には、このような疾患によって生じたものではないことを確認しておくことが必要です。
胸膜肥厚の変化が生じやすい人の特徴が明らかになれば、健康診断において胸部X線検査の判定を行う上で、有用な判断材料になるものと期待されます。本研究の成果として、胸部X線検査における診断精度の向上に役立つ知見が得られる可能性があり、本学の学生や教職員の健康に資するのみならず、広く国民の健康増進に貢献できる可能性があります。
本研究では、健康診断の胸部X線検査において胸膜肥厚所見を有する群と有さない群における健康診断データの比較を行います。
本研究は大学の倫理委員会の承認のもとに実施し、個人情報の保護を遵守します。本研究では、健康診断データは匿名化され、個人が特定されない形で集計および解析が行われます。
本研究で得られた結果は、学会や学術雑誌等で発表する予定です。匿名化されたデータを解析した結果を公表するので、個人が特定されることはありません。プライバシーは完全に保護されます。
この研究に関して質問がある場合、同意しがたい事項がある場合などは、その旨を保健・健康推進本部までお申し出ください。お申し出のない場合は、同意されたものとして取り扱わせていただきます。研究にご協力いただけない場合も、不利益につながることはありません。
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