歯科と新型コロナウイルス感染症

V-5) 歯科と新型コロナウイルス感染症

Q1)現状で歯科受診が望ましいのはどんな時ですか?
A1)歯科治療は一般的に新型コロナウイルス感染リスクが高いため、現状では「緊急性の高くない歯科治療は出来るだけ延期する」こととなっています。しかしながら、「緊急性の高くない歯科治療」を一般の方が判断するのは難しい部分もあるかと思いますので、以下に歯科受診を考慮すべき状況の具体例を列挙します。

 (1) 食べたり飲んだりしなくても強い歯の痛みを感じる(自発痛が強い)場合
 (2) 歯茎の腫れを伴う歯(あるいは歯の周囲)の痛みを感じ、歯肉をマッサージするように丁寧に歯磨きしても治らない場合
 (3) 物にぶつけて歯が折れたり、歯が完全に(あるいは一部)抜けてしまったりした場合
 (4) 歯の詰め物(インレー)、被せ物(クラウン)、複数にわたる大きな被せ物(ブリッジ)などが外れて食事ができない、または義歯が壊れて食事ができない場合
 (5) インレー、クラウン、ブリッジ等が外れてしまい、尖った(とがった)部分が露出して口の中を傷つけている場合
 (6) 矯正用の装置が外れたり壊れたりして口の中を傷つけている場合
 (7) 手術や放射線治療の前後で口腔ケアが必要な場合(口腔ケアの必要性に関しては、事前に原疾患担当医からの説明があるはずですので、それに従って下さい)
 (8) 口内炎が二週間以上治らない場合あるいは口の中に出来た「できもの」が日に日に大きくなってくる場合
 (9) 重症な口腔顎顔面の外傷や大量出血、首の腫れを伴う息苦しさ等、明らかに病院の口腔外科受診が必要な場合

上記(1)~(6))は一般歯科医院(一部保健センター歯科でも可能)、(7)~(9)は総合病院口腔外科(東大病院には口腔外科があります)に相談して下さい。また、(7)に関しては一般歯科でも対応していることがあります。なお、予約の電話をする際には、歯科に関する症状だけでなく、その日の体温と体調についても伝えるようにして下さい。

Q2)定期的な歯のクリーニングは延期した方が良いですか?
A2)痛み等の自覚症状がなければ、定期的な歯のクリーニングはコロナウイルスが終息するまでは延期した方が安全だと考えられています。

 最後に

当たり前のことですが、日々のセルフケア(歯磨き:デンタルフロスや糸ようじの併用が望ましい)が歯科疾患予防のためにとても重要です。出来るだけ朝昼晩行うことをお勧めします。また、自分では何も問題が無いと思っている段階で歯科を受診して「かかりつけ歯科」を作っておくことも大切です。現在(20204月時点)は閉室していますが、保健センター歯科では、かかりつけ歯科を作るためのお手伝い(保健センター歯科と緊密な連携が取れている一般歯科への紹介)が可能です。

また、日本歯科医学連合会からの下記情報も参考になると思いますので、是非ご覧下さい。

新型コロナウイルス感染症について(COVID-19)
国民のみなさまへ
www.nsigr.or.jp/coronavirus.html

歯科医療従事者のみなさまへ
www.nsigr.or.jp/coronavirus_dentists.html

感染拡大防止関連情報
《 感染拡大防止関連情報 その1 》-「歯科診療における緊急と判断する治療」-
http://www.nsigr.or.jp/coronavirus_prevention.html