2024-11-29 更新
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「HIV」「エイズ(AIDS)」という言葉を耳にしたことはあると思いますが、詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか?日本での新規感染者の報告は近年減少傾向にありますが、依然として20〜30歳代の感染者が多く、決して他人事とは言えない感染症です。正しく知り、正しく予防することが大切です。
- HIV/AIDSとは?
HIVとは、Human Immunodeficiency Virus:ヒト免疫不全ウイルスのことです。HIVが免疫にとって大事な細胞(Tリンパ球やマクロファージ)に感染し増殖すると、重篤な免疫不全が生じ、普段はかからないような感染症にかかったり(日和見感染)、悪性腫瘍を引き起こすことがあります。この状態をAIDS(Acquired Immunodeficiency Syndrome:後天性免疫不全症候群)と言います。
- どうやって感染する?
- 主な感染経路は、以下の3つです。
- ① 性行為による感染(性器、肛門、口腔からの感染)
- ② 母子感染(妊娠中や出産、授乳による感染)
- ③ 血液を介しての感染(輸血、注射器の共用などによる感染)
感染経路として最も多いのは、性行為による感染です。血液や体液を介する接触がなければ、日常生活でHIVに感染する可能性はありません。お風呂やプール、タオルの共用、咳・くしゃみで感染することもありません。
- 予防方法は?
- ① 性行為の際には必ずコンドームを使用する。HIVにかかるリスクが高い場合は予防薬の内服をする。
- ② 妊娠中の服薬、帝王切開による出産、人工栄養(粉ミルク)での養育。
③ カミソリなど、血液がつく可能性があるものは共用しない。麻薬や覚醒剤などの注射器の回し打ちは絶対にしない。
- 治療法は?
HIV/AIDSの治療法は飛躍的に進歩しています。早期に抗HIV薬による適切な治療を行うことで、ウイルスの増殖を抑え、AIDSの発症を防ぐことや他の人への感染を抑えることができ、感染していない人と同じくらい健康的な生活を送ることができます。
- 《U=U(Undetectable = Untransmittable)》
治療によりウイルス量を検出感度以下に抑えておけば、他の人に感染させることはありません。
- 感染の心配がある時はどうしたらいい?
女性診療科・産婦人科、泌尿器科、内科などを受診してください。東京大学保健センターでも検査は可能です。また、各自治体の保健所等で匿名・無料で検査が可能な場合があります(各自治体へお問い合わせください)。どこで検査を行なってもプライバシーは守られますので、安心して相談してください。
経口避妊薬を服用することで避妊を行っている方も、HIVをはじめとした性感染症の予防のためにはコンドームが必須です。自分と相手を守るために、コンドームを正しく使用しましょう。性感染症について「気になる症状がある」「症状はないけど心配」「チェックのため検査をしたい」「予防はどうしたらいい?」などのご相談は保健センター女性診療科、内科で受け付けています。