2025-01-29 更新
- 健康情報
2月4日は 2(ふう)4(しん)の日です。
風しんは、風しんウイルス(Rubella virus)に感染することによっておこる感染症で、発熱や皮疹、リンパ節腫脹といった症状を起こす感染力の強い病気です。風しんにかかってしまっても多くの場合自然に症状は改善しますが、まれに脳炎などの重たい合併症を起こすこともあります。また妊娠中の女性が風しんにかかることで、目、耳、心臓などに異常をもった先天性風しん症候群という病気の子どもが生まれる可能性があることが問題となっています。
風しんに対する特効薬はありませんが、予防のために風しんワクチンが有効です。現在風しんは子供の定期接種の対象に指定されているため若い世代の方は予防接種を受けていることが多いですが、1962年(昭和37年)4月2日~1979年(昭和54年)4月1日生まれの男性は風しんワクチンが定期接種ではなかったため大多数が接種していない世代です。この年代の男性や風しんのワクチン歴がない方は風しんにかかってしまう可能性が高く、また妊婦さんを始め他の人にうつしてしまう可能性もあります。過去に風しんにかかったことがあると言われていても、症状が似ている病気が多いため実際には風しんにかかっていないこともあります。風しんに対する免疫があるかどうかは、ワクチン接種記録か抗体検査をみないとわかりません。
- ご自身を、身近な大切な人を、これから生まれてくる赤ちゃんを風しんから守るために
- ・風しんのワクチン接種歴を母子手帳で確認しましょう
- ・風しんのワクチン接種歴がない場合や接種歴がわからない場合、心配なことがある場合は保健センターの内科や女性診療科で相談ができます。2月5日から1か月は風しんに関する相談を診察料無料で受けられます。なお、抗体検査やワクチン接種を行う場合は費用がかかります。
- ・1962年(昭和37年)4月2日~1979年(昭和54年)4月1日生まれの男性は自治体から届いたクーポンを活用して、無料の風しんの抗体検査を受けましょう。有効期限は2025年3月末予定です。詳細は各自治体にお問合せください。なお、保健センターはクーポン対象施設ではありません。
《先天性風しん症候群とは》
先天性風しん症候群とは、妊娠中の女性が風しんに感染することで、風しんウイルスが胎児にも感染し先天異常を引き起こす疾患です。特に妊娠12週ごろまでの妊娠初期の風しん感染で多く、特に多い症状は難聴、先天性心疾患、白内障で、そのほか小頭症や低出生体重、精神発達遅滞などを引き起こすこともあります。日本では2004年、2012〜2013年、2018年に風しんが流行し、中でも2013〜2014年にかけては全国で41人の先天性風しん症候群の患者が発生しました。
風しん感染疑いの妊婦を見つけるため、および風しん感染に関する注意喚起のため、妊娠すると初期の妊婦健診で風しんの抗体価を測っています。その時に初めて風しんの抗体価を測ったという方も多いかもしれません。抗体価が低い場合には、人混みを避ける、マスクをするなどの予防策をとりましょう。また妊婦の周りの方たちはこれらの感染予防策に加えて、風しん抗体価を測って低ければワクチンを打つ、ということも妊婦や生まれてくる赤ちゃんを風しん感染から守る方法の一つです。さらに、次回の妊娠における風しん感染のリスクを減らすため、また自分自身の感染予防のため、産後にワクチンを接種することもご検討ください。風しんワクチン接種は授乳中でも問題ありません。
- 妊娠中は風しんのワクチンを打つことはできないため、妊娠前からの対策も大切です。なお、女性が風しんワクチンを接種したあとは、2ヶ月間の避妊が必要になります※。妊娠を考えている場合には、時期に余裕を持って抗体検査とワクチン接種を検討することをお勧めします。自治体によっては検査やワクチン接種の費用を助成している場合もありますので、自治体のホームページやお知らせなどを確認してください。
- ※なおワクチン接種後すぐに妊娠が判明した場合でも、これまでに風しんワクチンによる先天性風しん症候群発生の報告はありません。