コロナ禍前後における医療従事者の健康指標の変動の調査および新規評価法の開発

東京大学保健センターにて教職員定期健診を受診された方およびそのご家族の方へ

この研究はコロナ禍前後における東京大学構成員の健康診断(健診)データを解析対象とし、その経時的な変化を評価ための多機関共同研究です。

この研究の対象者に該当する可能性がある方で、診療情報等を研究目的に利用されることを希望されない場合は20251231までに末尾に記載の問い合わせ先までご連絡ください。

【研究課題】

コロナ禍前後における医療従事者の健康指標の変動の調査および新規評価法の開発(審査番号*****)

【研究機関名及び本学の研究責任(代表)者氏名】

この研究が行われる研究機関と研究責任者は次に示すとおりです。

 主任研究機関 東京大学医学部附属病院/ 東京大学保健・健康推進本部
 研究責任者 講師 松川 美穂
 担当業務 研究計画立案・データ取得・データ解析・論文作成

【共同研究機関】

研究機関 千葉大学医学部附属病院臨床試験部生物統計室
研究責任者 室長 稲葉 洋介
担当業務 仮名加工後のデータを用いた統計解析

【研究目的・意義】

新型コロナウイルス感染症の蔓延(コロナ禍)により、医療現場の様相は大きく変化しています。医療従事者は新型コロナウイルス感染者のケアに直接従事するだけでなく、潜在的な感染者と接するリスクが高く、院内感染予防対策のために細心の注意を払う必要があります。コロナ禍により医療従事者は大きなストレスのもとでの勤務を強いられており、これが心身の健康状態を悪化させる要因となっている可能性があります。また在宅勤務の拡がりや外出自粛により、運動・食事などの生活習慣の変化が生じ、高血圧・糖尿病・脂質異常症、さらには脳血管障害や虚血性心疾患のリスクを上昇させている可能性があります。

 本研究では、コロナ禍前後における東京大学構成員の健康診断(健診)データを解析対象とし、その経時的な変化を評価します。医療従事者として、東京大学医学部附属病院(東大病院)の教職員の健診データを解析対象とし、さらに比較解析の対象(医療従事者でない教職員)として、東京大学の他部局の(東大病院以外の)構成員の健診データも解析します。心身の健康状態の指標の変化を同定し、その変動要因を探索することにより、健康増進に向けてフィードバックできるような知見を得ることを目的とします。さらに本研究では、時系列データ分析において深層学習の手法を活用し、健康状態の定量的・経時的変化の新しい評価システムの確立を目指します。

 新型コロナウイルス感染症の克服に向けた医療体制の構築のため、医療従事者の健康管

理はその前提となる重要課題です。本研究により、ポストコロナ社会における国民の健康増進にむけて、大きな示唆が得られるものと期待されます。

【研究期間】

  対象期間(使用されるデータの対象期間)
   2011年4月1日~2024年3月31日

  研究期間
   研究実施許可日~2028年10月31日

【対象となる方】

 2011年度から2023年度までに東京大学で教職員定期健診を受診した全職員を対象とします。対象者はすべて18歳以上の成人です。研究に不同意の者については除外します。

【研究の方法】

東京大学の健診データ(後ろ向き:2011年度から2023年度まで)を利用します。東京大学医学部附属病院(東大病院)の教職員(医療従事者)の健診データを主な解析対象とし、匿名化した後に、東大病院職員等健康相談室(産業医面談室)等の情報管理が可能な場所で解析を行います。比較解析の対象(医療従事者でない教職員)として、東京大学の他部局の(東大病院以外の)構成員の健診データの解析を行う場合は、匿名化した後に、本郷保健センター医師控室等の情報管理が可能な場所で解析を行います。健康状態の経時的変化を、各種検査項目・問診内容に基づいて検証するほか、深層学習の手法によって得られた新規の健康指標とも対応させて評価します。

東京大学の教職員の健診データ(1年間あたり約1万2千人分、後ろ向き研究の13年間分で約21万人相当)を解析対象とします。このうち東大病院の教職員の健診データ(1年間あたり約4千人分)を主な解析対象としますが、比較対象として、東大病院以外の部局の構成員の健診データも対象に含めます。健康診断の実施項目(身長・体重・血圧・脈拍・視力・聴力・問診・診察・血液検査・尿検査・便検査・胸部X線・心電図)をデータとして用います。健康診断データベースに含まれる受診者の属性のうち、性別・年齢・生年月日(検査時年齢を得るため)・所属部署・職種・家族歴・既往歴・生活歴(飲酒・喫煙歴など)などを使用します。これまでの健康診断で健康診断データベースに記録されている血液検査や尿検査結果、画像検査を取得して行う研究です。特に研究対象者の皆さんに新たにご負担いただくことはありません。

 本研究は医学部倫理委員会審査番号2023291NIe-(2)(東京大学 保健・健康推進本部実施、東京大学ライフサイエンス委員会倫理審査専門委員会承認済み、医学部倫理委員会研究登録)の単機関研究として実施中の研究を多機関共同研究として継続して行うものです。提供いただいた資料・情報は、共同研究機関である千葉大学医学部附属病院臨床試験部生物統計室と共有し、解析を行います。研究対象者の皆さんのお名前等が、他機関に伝わることはありません。

〇利用又は提供を開始する予定日
利用又は提供を開始する予定日:実施許可日(2025年10月21日)

なお、研究計画書や研究の方法に関する資料を入手・閲覧して、研究内容を詳しくお知りになりたい場合は、末尾の連絡先にお問い合わせください。他の研究対象者の個人情報等の保護や研究の独創性確保に支障がない範囲でご提供させていただきます。

【個人情報の保護】

 この研究に関わって取得される資料や情報は、外部に漏えいすることのないよう、慎重に取り扱う必要があります。
取得した資料は、氏名・生年月日等の個人情報を削り、代わりに新しく研究用の符号をつけ、どなたのものか分からないようにします。どなたのものか分からないように加工した上で、研究者のみ使用できるパスワードロックをかけたパソコンで厳重に保管します。
また、取得した資料は、千葉大学医学部附属病院臨床試験部生物統計室に送られ解析・保存されますが、送付前に氏名・生年月日等の個人情報を削り研究用の符号をつけ、どなたのものか分からないようにします。どなたのものか分からないように加工した上で、研究者のみ使用できるパスワードロックをかけたパソコン、鍵のかかるロッカー等で厳重に保管します。ただし、参加拒否の申し出期限までにお申し出いただいた場合には、当研究室においてこの符号を元の氏名等に戻す操作を行い、あなたの資料や情報を廃棄することもできます。
この研究のためにご自分(あるいはご家族)の資料や情報を使用してほしくない場合は下記の問い合わせ先に20251231までにご連絡ください。なお、研究に参加いただけない場合でも、将来にわたって不利益が生じることはありません。
ご連絡をいただかなかった場合は、ご了承いただいたものとさせていただきます。

 国内外の学術雑誌での公開にあたっては、研究成果の第三者による検証や複数の研究の結果を統合して統計的に検討する際の原資料となることもあるために、解析・論文作成に用いたデータを学術雑誌社・学会(誌)へ提供・公開すること、また保管されることがあります。提供・公開されたデータは国内外にある学術研究機関だけではなく、製薬企業等の民間企業等により、研究や製品開発等のために分析、利用される可能性があります。

 研究の成果は、あなたの氏名等の個人情報が明らかにならないようにした上で、学会発表や学術雑誌、国内及び海外のデータベース等で公表します。

 取得した資料や情報は厳重な管理のもと、研究終了後5年間保存されます。保管期間終了後には、シュレッダーなどを用いて廃棄します。なお研究データを統計データとしてまとめたものについてはお問い合わせがあれば開示いたしますので下記までご連絡ください。

 尚、提供いただいた試料・情報の管理の責任者は下記の通りです。

 試料・情報の管理責任者
 所属:東京大学医学部附属病院/ 東京大学保健・健康推進本部
 氏名:松川 美穂

この研究は、東京大学医学部倫理委員会の承認を受け、東京大学保健・健康推進本部長・東京大学医学部附属病院長の許可を受けて実施するものです。

この研究に関する費用は、東京大学医学部附属病院職員等健康相談室の運営費から支出されています。
本研究に関して、開示すべき利益相反関係はありません。

尚、あなたへの謝金はございません。

 

この研究について、わからないことや聞きたいこと、何か心配なことがありましたら、お気軽に下記の連絡先までお問い合わせください。

 

2025年10月

【連絡・お問い合わせ先】
研究責任者:松川 美穂 (まつかわ みほ)
連絡担当者:松川 美穂 (まつかわ みほ)
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
東京大学 健康・保健推進本部
東京大学医学部附属病院 職員等健康相談室
電話:03-3815-5411(内線 34634) 
e-mail:kawabem-int@h.u-tokyo.ac.jp