脂質異常症に関する調査 「大学生を対象にした脂質異常症の発症リスク・合併症・予後などに関する疫学調査および後ろ向き研究」へのご協力のお願い

脂質異常症に関する調査

「大学生を対象にした脂質異常症の発症リスク・合併症・予後などに関する疫学調査および後ろ向き研究」へのご協力のお願い

 

 近年我が国において、食生活の変化や生活環境・習慣の変化などに伴い脂質異常症は増加傾向にあります。

 脂質異常症は、動脈に脂質(コレステロールや中性脂肪など)がたまることによって血管がかたくなったり、詰まったりする動脈硬化の危険因子として注目されており、動脈硬化が進展すると心筋梗塞、狭心症、脳卒中や下肢閉塞性動脈硬化症などを引き起こします。他にも脂質異常症は急性膵炎のリスクになることがあります。高脂血症以外にも低脂血症や低HDL-C血症、高HDL-C血症などの原発性脂質異常症はそれぞれ特有の合併症を来します。これらの早期発見と早期治療、病態解明と制御は大変重要な課題です。

 脂質異常症の多くは一般に多因子疾患と考えられている生活習慣病の一つで、大学生における原因としては、受験期のストレスや運動不足、入学後の生活環境の変化(一人暮らしや生活リズムの変化など)、生活習慣の乱れなど(食生活の乱れや運動不足、飲酒、喫煙など)が考えられます。しかし、なかには遺伝性の病気が潜んでいることがあります。いずれの場合も将来の合併症を考えると、大学生のうちに生活習慣を見直すことが大切であり、場合によって薬物療法が必要となりますが、遺伝性の場合には、特に的確な診断と治療が必要となります。

 本学の学生健診では脂質異常症の検査をしています。大学生における脂質異常症の現状、危険因子や合併症、治療などを調査することによって、今後の早期発見、早期治療に役立つ貴重な知見が得られる可能性があります。

 健康診断で得られたデータの集計や解析は匿名化され、個人が特定されない形で利用します。本研究で得られた結果は、個人情報が明らかにならないようにした上で、学会発表や学術雑誌及びデータべース上等で公表します。本研究は、大学の倫理委員会の承認を得て実施し、個人情報の保護を遵守します。本研究に関するご質問や本研究に同意されない場合などは、その旨を保健・健康推進本部内科までご連絡ください。お申し出のない場合は、同意していただいたものとして取り扱わせていただきます。なお、研究にご協力いただけない場合にも、皆様の不利益につながることはありません。以上、学生および教職員の皆様のご理解とご協力をいただけますよう,お願い申し上げます。                     

平成29年3月16日               

保健・健康推進本部 内科 岡崎 佐智子