女性科検診

子宮頸がん検診について

子宮頸がんは2030代の女性に増えており、国内では毎年約1万人の女性が罹患し、約3千人が亡くなっています。早期は無症状であることが多く、検診による早期発見が重要です。
20歳以上の方は2年に1回の細胞診による子宮頸がん検診が推奨されています。HPVワクチンを受けている方も、一部HPVに因らない子宮頸がんがあるため検診を受けることをお勧めします。

◼️ 細胞診/内診

子宮頸部を擦って細胞を採取し、異常な細胞がないかを確認します。また、子宮頸部を目で見たり、子宮・卵巣をお腹の上から触ることで、大きな病変が疑われないかをチェックします。

◼️ 子宮がん検診オプション:

(a)   コルポスコープ診

子宮頸部を拡大して観察する検査です。

一般的に、細胞診で異常があった場合に精密検査として行います。

(b)  経腟超音波検査

超音波を用いて子宮や卵巣に病変がないかを確認します。

どの方にもお勧めできる検査ですが、特に月経困難症や過多月経などの心配がある方はご検討ください。

(c)   HPV検査

子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)感染の有無を調べます。細胞診・HPV検査ともに異常がない場合には検診間隔を延長することができます。子宮頸がん罹患率減少効果のエビデンスはありますが、細胞診と比べて偽陽性率が高い検査です。特に20歳台は一過性感染による偽陽性が多いため、3064歳で勧められます。

  • 子宮がん検診はお住まいの区市町村でも実施されています。各区市町村が指定する検診期間や医療機関などで、無料または一部自己負担で受けることができます。詳しくはお住まいの区市町村からのお知らせやホームページで確認してください。
  • 東京大学保健センター女性診療科でも子宮頸がん検診を行なっています(有料。細胞診・経腟超音波検査のみ対応)。

乳がん検診について

40歳以上の女性のがんの中で最も頻度が高いのが乳がんです。罹患率は高いものの、早期に発見すれば治る可能性が高いがんです。
40歳以上は2年に1回の乳がん検診が推奨されています。

◼️ 乳がん検診オプション:

 

メリット

デメリット

(d) マンモグラフィ検査

・乳がん死亡率減少効果が証明されている検査方法。

・乳がん早期で見られる石灰化の描出に有効。

・撮影方法が一定のため、過去の画像と比較がしやすい。

・乳房を板で圧迫し、薄く伸ばした状態で撮影しするため、痛みを伴うことがある1

・乳腺が発達していると病変を見つけづらいことがある2

・エックス線による被曝3があるため、妊娠中/妊娠の可能性がある場合には受けられない。

(e) 乳房超音波検査

・小さなしこりを見つけることも可能。

・乳腺が発達している若年者でも病変の確認がしやすい。

・被曝がないため、妊娠中/妊娠の可能性がある場合にも検査を受けることができる。

・石灰化の描出には不向き。

1 月経前は女性ホルモンの影響で乳房が張る方も多く、検査で痛みを強く感じることがあるため、可能であれば月経後の検査をお勧めします。

※2 個人差がありますが、若年では乳腺が発達している高濃度乳房(デンスブレスト)が多く見られます。40歳以下の方では乳房超音波検査もご検討ください。

3 マンモグラフィの被曝量は、一般の人が1年間に受ける自然放射線量の50分の1程度であり、照射も乳房に限定されているため健康への影響はほとんどないと考えて良いと思われます。