自身の感染を疑った場合の行動

III-4)自身の感染を疑った場合の行動

 みなさん自身の安全と健康のため、また ご家族や友人、同僚の安全と健康のため、軽い症状の場合も過信しないようにしましょう。自分が感染源となる可能性があります。自身の健康の維持と安全を守りつつ、自分がうつさないように注意しましょう。自身のリスクについては持病でかかりつけ医のある方は主治医とよく相談してください。

自身の健康のために

 発熱や咳などの症状が見られた場合、軽度の症状であれば、自宅療養で回復される方が大半です。新型コロナウイルスによる感染症に対する特別な治療法はありません。他の風邪などと同様に対症療法(水分補給や、熱をさげるなど)です。一方で、急激な症状の悪化がみられる方も一部にみられます。症状に注意して、適切に行動しましょう。
 以下の条件にあてはまる場合は、すぐに「新型コロナ受診相談窓口(帰国者・接触者相談センター)等に相談しましょう。
  ●息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)、高熱等の強い症状のいずれかがある
  ●重症化しやすい方(高齢者や基礎疾患等*のある方)で、発熱や咳など比較的軽い症状がある
    *基礎疾患等:
      ・糖尿病、心不全、呼吸器疾患(COPD等)の基礎疾患がある方
      ・透析を受けている方
      ・免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている方
      ・妊婦の方など
  ●上記以外の方で、発熱や比較的軽い風邪の症状が続く(症状が4日以上続く場合、解熱剤を飲み続けなければならない時を含む)

上記以外の症状の場合
  十分な水分補給と消化の良い食事をとり、休養、十分な睡眠をとり、外出を控えましょう。
  毎日、体温の測定を記録します。※経過観察中に、以下の【緊急性の高い症状】にあてはまる場合は、各都道府県等の連絡・相談窓口直ちに相談しましょう。

【緊急性の高い症状】※は家族等が以下の項目を確認した場合 (厚生労働省:令和2年4月27日)
  (表情・外見)・顔色が明らかに悪い
         ・唇が紫色になっている
         ・いつもと違う、様子がおかしい
  (息苦しさ等)・息が荒くなった(呼吸数が多くなった)
         ・急に息苦しくなった
         ・生活をしていて少し動くと息苦しい
         ・胸の痛みがある、横になれない、座らないと息ができない
         ・肩で息をしている、突然(2時間以内を目安)ゼーゼーしはじめた
  (意識障害等)・ぼんやりしている(反応が弱い)
         ・もうろうとしている(返事がない)
         ・脈がとぶ、脈のリズムが乱れる感じがする

参考)東京都福祉保健局より(他県の方は、お住いの自治体をご参照ください)

周囲に拡大させないために
⇒ III-2) 感染リスクを減らすための個人の行動、III-3) 環境の整備 参照
 ご自身あるいは、ご家族に新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいる場合、同居のご家族は、ご家庭においても、次のような点にご注意ください。

1.他の同居者と部屋を可能な限り分けましょう。
 換気のよい個室が望ましく、食事や寝るときも別室にします。共有スペース(トイレ、バスルームなど)の利用は最小限として、換気は十分に行います(窓をしばらく開けたままにする)。トイレ使用時に、便器の蓋を閉じて洗浄することも、感染などを引き起こす可能性のあるエアロゾル粒子の発生を減らすことができます。
 子どもがいる方、部屋数が少ない場合など、部屋を分けられない場合には、少なくとも2mの距離を保つこと、仕切りやカーテンなどを設置することをお薦めします。寝るときは頭の位置を互い違いになるようにするだけでも、距離がとれるようになります。

2.感染が疑われる家族のお世話はできるだけ限られた方(一人が望ましい)にしましょう。
 心臓、肺、腎臓に持病のある方、糖尿病の方、免疫の低下した方、妊婦の方などが、感染が疑われる家族のお世話をするのは避けてください。

3.全員がマスクをつけましょう
 感染者と家族の両方がマスクを着用することで、ウイルスの拡散を防ぎます。
 マスクの表面には触れないようにしてください。マスクを外す際には、ゴムやひもをつまんで外しましょう。マスクを外した後は必ず石鹸で手を洗ってください(アルコール手指消毒剤でも可)。 マスクが汚れたときは、新しい清潔な乾燥マスクと交換してください。マスクがないときなどに咳やくしゃみをする際は、ティッシュ等で口と鼻を覆いましょう。

4.こまめに手洗い・うがいをしましょう
 ウイルスのついた手で、目や鼻、口などを触ると粘膜・結膜をとおして感染することがあります。
 こまめに石鹸での手洗いやアルコール消毒をしましょう。洗っていない手で目や鼻、口などを触らないようにしてください。

5.日中はできるだけ換気をしましょう
 感染者のいる部屋、また 他の家族がいる部屋も換気しましょう。空気の流れを作るため、複数の窓がある場合、二方向の壁の窓を開けましょう。窓が一つしかない部屋でも、マンションなどで24時間換気機能がある場合には窓を開けるだけで十分換気ができます。スイッチが切れていないかを確認してください。そのような換気機能がない場合には、窓の左右を開けましょう。
 
6.手で触れる共有部分を消毒しましょう
 物に付着したウイルスはしばらく生存します。ドアの取っ手やノブ、ベッド柵など共有部分は、薄めた市販の家庭用塩素系漂白剤で拭いた後、水拭きしましょう。 ※家庭用塩素系漂白剤は、主成分が次亜塩素酸ナトリウムであることを確認し、濃度が0.05%(製品の濃度が6%の場合、水3Lに液を25mL)になるように調整してください。トイレや洗面所は、通常の家庭用洗剤ですすぎ、家庭用消毒剤でこまめに消毒しましょう。

7.汚れたリネン、衣服を洗濯しましょう
 タオルは、トイレ、洗面所、キッチンなどで共有しないように注意してください。食器、箸、スプーン等などを共用しないことも大事です。タオル、衣類、食器、箸・スプーンなどは、通常の洗濯や洗浄でかまいません。感染が疑われる家族の使用したものを分けて洗う必要はありません。 洗浄前のものを共有しないようにしてください。
 新型コロナウイルス感染症は下痢がみられることがあり、糞便からウイルスが検出されることがあります。体液で汚れた衣服、リネンを取り扱う際は、手袋とマスクをつけ、一般的な家庭用洗剤で洗濯し完全に乾かしてください。
 
8.ゴミは密閉して捨てましょう
 鼻をかんだティッシュなどにもウイルスがついていますので、すぐにビニール袋に入れ、室外に出すときは密閉して捨てください。その後は直ちに手を石鹸で洗いましょう。

参照:

一般社団法人日本環境感染症学会とりまとめ
http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/dokyokazoku-chuijikou.pdf

家庭内でご注意いただきたいこと~8つのポイント~(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000601721.pdf

新型コロナウイルス感染症制御における「換気」に関して緊急会長談話(一般社団法人 日本建築学会と公益社団法人 空気調和・衛生工学会)
https://www.aij.or.jp/jpn/databox/2020/200323.pdf

新型コロナウイルス感染症制御における「換気」に関して 「換気」に関するQ&A(一般社団法人 日本建築学会と 公益社団法人 空気調和・衛生学会)
https://www.aij.or.jp/jpn/databox/2020/200330.pdf

新型コロナウイルス感染対策としての空調設備を中心とした設備の運用について(公益社団法人 空気調和・衛生工学会 換気設備委員会)
http://www.shasej.org/recommendation/Operation_of_air-conditioning_equipment_and_other_facilities20200407.pdf