血圧とは、血管の中を流れる血液が血管の壁に与える圧力のことです。血液は心臓のポンプ作用によって全身の血管に押し出されていきます。心臓が収縮して血液を送り出すときに血圧が最も大きくなります。このときの血圧を「収縮期血圧」(または最高血圧)といいます。逆に心臓が拡張するときの血圧は最小となり、このときの血圧を「拡張期血圧」(または最低血圧)といいます。
血圧は、運動や緊張その他の原因によりに変動しますが、中には、病気が原因で血圧が上がることがあります。また、高血圧を長期間放置すると、動脈硬化を促進し、脳血管疾患や心疾患等の重大な病気につながることがあります。健診等の機会を利用し、ご自身の血圧値を把握しましょう。
正常血圧 | 収縮期血圧 120未満 / 拡張期血圧 80未満 (mmHg) いずれもこの値を超えない |
健診判定「異常なし」 | 収縮期血圧 130未満 / 拡張期血圧 85未満 (mmHg) いずれもこの値を超えない |
高血圧の原因
高血圧は、①本態性高血圧 ②二次性高血圧の二つに分けられます。
*そのほか、健診時の一時的な緊張も血圧を上げる原因になります(白衣性高血圧)
①本態性高血圧
原因のはっきりしない高血圧症で、高血圧の約9割の患者が本態性高血圧と診断されています。血圧を上昇させる要因には、大きく分けて遺伝的素因と環境因子に分けることができます。
遺伝的素因・・・高血圧症になる体質は、遺伝すると考えられています
環境因子・・・食塩のとりすぎ、肥満、飲酒、運動不足、精神的ストレス、喫煙など
②二次性高血圧
高血圧の原因になっている病気等がはっきりしているもので、高血圧は、その病気の一つの症状です。原因となる病気は、腎性、内分泌性、血管性、薬物によるものなどがあげられます。
健診で血圧高値だった場合(*主治医がいる場合は、健診の結果を主治医にご相談ください)
高血圧の判定は、診察室血圧より、家庭血圧の測定を優先します。特に健診時の血圧が、どちらか一方でも140/90mmHg以上の方は、家庭血圧の測定がすすめられます。一週間の平均した家庭血圧がどちらか一方でも135/85mmHg以上の場合は、早めにかかりつけ医を受診しましょう。各地区保健センターでも相談できます。(家庭血圧の測定結果をご持参ください)
・収縮期血圧130〜139かつ、または拡張期血圧85〜89の場合 (mmHg)
糖尿病や慢性腎臓病などの合併症や喫煙習慣のある方は、血圧高値でも、脳心血管疾患のリスクが高いため、注意が必要です。合併症のある方は、主治医にご相談ください。家庭血圧で高値の場合、主治医がいない方は、保健センターで相談することも可能です。
・収縮期血圧140〜159かつ、または拡張期血圧90〜99の場合 (mmHg)
家庭血圧で高値の場合は、保健師の面談を受けるようにしましょう。
・収縮期血圧160〜179かつ、または拡張期血圧100〜109の場合 (mmHg)
医療機関へ健康診断結果をご相談ください。受診の結果は、受診地区保健センターへご報告ください。
・収縮期血圧:180〜かつ、または拡張期血圧:110〜の場合 (mmHg)
頭痛や嘔気などの症状を伴う場合は、すぐに医療機関の受診が必要です。無症状の方で、主治医のいない方は、早めに各地区保健センター内科もしくは最寄りの医療機関を受診しましょう。受診の結果は、受診地区保健センターへご報告ください。
参考
厚生労働省e-ヘルスネット「高血圧症」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-003.html