肝・胆道系酵素

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<肝・胆道系酵素について>

肝臓は①有害物質の解毒 ②栄養素の合成・代謝・貯蔵 ③胆汁の合成・代謝 などの働きをします。

肝機能検査では肝臓や胆のう、胆管に異常がないかを調べます。

肝臓の障害だけでなく、心臓の病気や激しい運動後に数値が上がることもあります。

教職員定期健康診断では、ASTALTγ-GTP、総ビリルビン、ALPLDHを測定しています。

・AST

主に肝臓の検査ではありますが、肝臓以外でも心筋、骨格筋、腎臓などに存在し、臓器の細胞に異変が起こると数値が上がります。そのため、肝臓障害、心筋梗塞、溶血などの診断に有効な検査となっています。

基準範囲
(単位IU/L)

基準値は外れているが問題なし

要保健師面談

医療機関受診が必要

A2

B2

C1

C2

10〜40

9以下

41〜50

51〜499

500以上

東京大学保健・健康推進本部は基準範囲を上記としています

・ALT

とくに肝細胞の変性や壊死に鋭敏に反応するので肝臓・胆道系の病気の診断に有効な検査となっています。

基準範囲

(単位IU/L)

基準値は外れているが問題なし

要保健師面談

医療機関受診が必要

A2

B2

C1

C2

5〜45

4以下

46〜50

51〜499

500以上

東京大学保健・健康推進本部は基準範囲を上記としています

・γ-GTP

アルコール摂取量が多い時や脂肪肝があるときや、結石やがんなどによって胆管がつまったときなどに値が高くなります。

基準範囲
(単位IU/L)

要保健師面談

医療機関受診が必要

B2

C1

C2

男性

80以下

81〜100

101〜499

500以上

女性

30以下

31〜100

101〜499

500以上

東京大学保健・健康推進本部は基準範囲を上記としています

・総ビリルビン

ビリルビンとは、血液に含まれる黄色い色素です。寿命が尽きた赤血球が破壊されるとき、ヘモグロビンはヘムとグロビンに分解され、酵素の働きでヘムとビリルビンに変化します。これを「間接型ビリルビン」と呼んでいます。このビリルビンが肝臓に運ばれ再び酵素が働いて「直接型ビリルビン」と呼ばれる物に変化し、胆嚢に貯められます。これが便の一部になったり、腎臓で尿の一部になって排泄されます。間接型と直接型を会わせて「総ビリルビン」と言います。

肝機能障害や胆管障害などがあるとビリルビンが血液中増加します。ビリルビンが多くなると、身体が黄色くなる黄疸が現れます。血液中のビリルビン量を測定することで、黄疸が出る前に障害を知ることが出来ます。

〈異常があったら〉

肝機能検査の結果と合わせて検討し、必要に応じてさらに詳しい検査を行い診断されます。

〈異常な場合に疑われる病気〉

体質性黄疸、慢性・急性肝炎、肝硬変、溶血性貧血、肺梗塞、敗血症、甲状腺機能亢進症など

基準範囲

(単位mg/dl)

基準値は外れているが問題なし

要保健師面談

医療機関受診が必要

A2

B1

C1

0.2〜1.2

0.1以下

or 1.3〜2.5

2.6〜3.4

3.5以上

東京大学保健・健康推進本部は基準範囲を上記としています

・ALP

高値の場合、肝障害や胆道疾患の疑いがあります。

ALPは、肝臓をはじめとしたさまざまな細胞でつくられる酵素で、胆汁中にも存在します。肝障害により肝臓内で胆汁の流れが悪くなったり、胆管に胆石などが詰まった場合、胆汁中に存在するALPが血液中に漏れ出し、数値が上がります。

またALPは骨でもつくられているため、成長期の子どもや骨の病気などでも数値が上がる場合があります。

2021年度~ 実施分:IFCC法

基準範囲
(IU/L)

基準値は外れているが問題なし

要保健師面談

医療機関受診が必要

A2

B1

C1

38~113

38未満

114~157

158以上

~2020年度 実施分:JSCC法

基準範囲
(IU/L)

基準値は外れているが問題なし

要保健師面談

医療機関受診が必要

A2

B1

C1

100〜325

100未満

326〜449

450以上

東京大学保健・健康推進本部は基準範囲を上記としています

・LDH

LDHは、肝臓をはじめ、心臓、腎臓、赤血球などのからだのさまざまな細胞でつくられる酵素で、糖質をエネルギーに変える働きをしています。LDHは何らかの異常で臓器が破壊されることにより、血液中に漏れ出し、数値が上がります。

LDHは肝臓、心臓、肺、腎臓、血液、骨格筋などの病気や、悪性腫瘍で増加する場合もあります。

2021年度~ 実施分:IFCC法

基準範囲
(IU/L)

基準値は外れているが問題なし

要保健師面談

医療機関受診が必要

A2

B1

C1

124~222

223~400 または 124未満

401~500

501以上

~2020年度 実施分:JSCC法

基準範囲
(IU/L)

基準値は外れているが問題なし

要保健師面談

医療機関受診が必要

A2

B1

C1

120〜240

241~400 または 120未満

401〜500

501以上

東京大学保健・健康推進本部は基準範囲を上記としています