尿検査

検査の概要

尿は、腎臓で血液から不要な物質を濾過して作られます。腎臓で作られた尿は、尿管を通って膀胱に集められ、ある程度の量がたまると、尿道を通じて排泄されます。通常は、不要な成分と水分が尿を通じて体外に排泄されますが、様々な原因で、それ以外のものが尿中に排出されます。
健康診断の尿検査では、「赤血球」「タンパク」「糖」の3項目について、基準値以上の量が排出されていないかどうかを検査しています。

基準値 尿蛋白(-)、尿潜血(-)、尿糖(-)

異常なし

軽度異常

要再検査・生活改善

要精密検査・治療

A

B

C

D
尿蛋白 (-) (±)> (+)* (2+)以上
尿潜血 (-) (±) (+)* (2+)以上
尿糖 (-) (±)以上

*尿蛋白が(+)かつ尿潜血が(+)である場合は、尿蛋白の判定は「要精密検査・治療」の判定です。

東京大学保健・健康推進本部は基準範囲と判定区分を上記としています

異常所見について

・尿潜血が見られた場合

尿が作られ、排泄されるまでの経路(腎臓・尿管・膀胱・尿道)のどこかに傷や炎症などがある場合、尿中に赤血球がみられることがあります。たとえば、膀胱炎や尿管結石などがあげられます。女性の場合、生理の前後や排卵時にみられる場合もあります。

・尿蛋白が見られた場合

蛋白は体に必要な物なので、基本的には濾過されず体内に残ります。激しい運動などで微量に排出されることがありますが、腎臓に問題がある場合等にもみられることがあります。

・尿糖が見られた場合

血液中の糖は、腎臓で濾過される際に、身体に再吸収されますが、吸収しきれずに尿に糖が排泄されることがあります。血糖値が高いことを反映している場合がありますので、血液検査と組み合わせて調べる必要があります。糖代謝に関する説明もご覧下さい。

尿検査結果が「要精密検査」の場合など

尿検査は体への侵襲が少なく簡便である反面、過労や過度の運動など、体調の影響を受けやすい検査でもあります。一方で、自覚症状がなくとも、腎臓病や腎臓の障害などの場合もあります。繰り返し尿蛋白が陽性の場合や、「要精密検査」と判定された場合は、自己判断せずに内科や泌尿器科を受診し、病気が隠れていないか調べることをおすすめします。